七草がゆ・・・春の七草ならぬ一草

家庭菜園

遅まきした大根がすこしだけそだってきて、1月7日の七草がゆに間に合いそうです。遅くまいた大根の成長は本当に遅くて、葉っぱしか食べられません。でも、この抜き菜はとにかくみずみずしくてたくましい。9月まきのものと全く違う抜き菜になります。過ごしてきた環境がそうさせるのでしょうね。今年は、このたくましい一草から元気をいただきます。

春の七草と言えば

せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ
この七つの名前は、秋の七草よりすらすらと出てきます。こちらは食べ物と関係しているので余計に覚えやすいのか、語呂がいいのか・・・。

我が家ではこの7つをそろえて、七草がゆを作ったことはないと思います。お世話になるのは、もっぱら「すずしろ」この時期必ず畑にあるからね。そして、ときどき「すずな」。こちらは、畑で育っていると利用する野菜。昨年は2種類、、今年は1種類です。

七草がゆの由来&バリエーション

わからないことはウィキペディアに聞けとばかりに、そちらを訪ねてみると,大しうという親孝行者の説話が載っていましたよ。100歳を超えて、体がままならなくなった両親を若返らせるための手段が七草だったようです。親孝行の説話です。


「私に老いを移してもいいのでどうか両親を若返らせてください」
そこに天上の帝釈天からお告げがあった。
「そなたの願いを聞き入れた。須弥山の南に齢8000年の白鵞鳥がいるが、この秘術をぬしら親子に授ける。ついては、毎年春のはじめに七種の草を食べること。
1月6日までに7種類の草の集めておくこと。次の時刻に柳で作った器に種を載せ、玉椿の枝で叩くこと。の刻から
の刻から
の刻から御形
の刻から田平子
の刻から仏座
の刻から
の刻から清白
の刻からこれらの種を合わせ、東から清水を汲んできて、これを煮て食べること。
一口で10歳、七口で70歳若返るので、ついには8000年生きることができよう。」大しうはこの教えを繰り返し暗唱すると、この日は正月であったのですぐに山を降りて7種類の草を集め、6日の夕方から教えの通り、不思議な心持ちで夜通し草を叩いた。朝になり、東から汲んだ水で炊いて両親に食べさせたところ、たちまち若返ったのはいうまでもない。


ウィキペディア  七草がゆ より

そして、お正月で疲れた胃を休めることと、無病息災を祈るという意味を含んでいるようです。

この説話を初めて知った以上に驚いたのは、七草がゆといえども、地域によって本当にさまざまであること。七草すべて入れるほうが珍しいようです。その地方によってとにかく違います。家庭によってもそれはずいぶん変化していくのだろうと思いました。変わらないのは、家族の無病息災を祈る気持ちでしょう。

七草揃えないことをどこかで手抜きのように感じていたかもしれません。でも調べてみて一草もありだなあと思いました。

優しい緑の野菜と、おかゆで
疲れた胃を休めてあげる
そして、普段の生活に体も心も切り替える。

そんなスイッチのような働きが七草がゆにはある気がします。

たくましい抜き菜


この抜き菜を抜いた時の、葉っぱのがっしりした感じと根っこが印象的でした。細いのに長く深く根を張ってきているのがわかったから。じっくりじっくり見えないところで、自分を育てている感じが何かいいなあ。

我が家の七草がゆには、抜き菜と共に、おもち、大根(根っこのほう)も入れます。
昨年(2019年)はカブが育ったので、カブも入れられたんだけどな。

2020年、今年の七草がゆは、一草がゆ。
収穫が激減していた昨年に
遅まきした大根が救いの神です。

朝、お鍋に入れる1~2分前に収穫しました。

今年は、もっと畑に足音をたてます!
そして、2021年の七草こそ、豊かな畑から、抜き菜を収穫できる年にしたいなあ。

ささやかに続く1月7日の七草がゆ
この「食べごと」
ずっと続けていきたいことの一つですね。

食べることに願いがこもっているもの。

今朝の中日新聞の・中日春秋には、
昔の人は、スズシロに「汚れなき清白」の意味を重ねてきた・・・・。と説明してありました。

何でも、気持ちよく消化されて、心や胃にもたれることがないのがいいですよね。
スズシロって今の世の中に大切な願いがこもっていると思いません?